「薔薇色の永遠」
1910年、マダガスカルの鉱山で一つの奇跡が起きた。それは、今まで見たことのない美しいピンク色の輝きを放つベリルの発見だった。当時、ティファニーの宝石顧問を務めていたジョージ・クンツ博士の目に留まったその宝石は、後に「モルガナイト」と名付けられることになる。
時は流れ、2024年の春。その歴史的な発見から100年以上の時を経て、一つの特別なモルガナイトが運命の導きによって生まれた。4.56カラットという贅沢な大きさを持つその石は、まるで夕暮れの空が結晶化したかのような、深みのある優美なピンク色を湛えていた。
職人の手によって丁寧にカットされた宝石は、0.46カラットものダイヤモンドに囲まれ、18金のピンクゴールドの台座に優雅に収められた。その姿は、まるで薔薇の花びらが永遠の輝きを得たかのようだった。
このリングには、ある切ない物語が秘められていた。祖母から孫へと受け継がれた想いの結晶。祖母は若かりし頃、戦争で婚約者を失い、その後再び愛することはなかった。しかし、最期まで心に秘めた想いを、このリングに込めて孫に託したのだった。
そして今、このリングは新たな物語を紡ぎ始めようとしている。かつての悲しい記憶を癒し、新たな愛の象徴として輝きを放つ。着ける者の指に、優しく寄り添うように設計された11号のサイズは、まるでこの運命的な出会いを待っていたかのようだ。
4.7グラムという軽やかな重さながら、その存在感は圧倒的だ。ダイヤモンドの煌めきは、モルガナイトの柔らかな輝きを引き立て、まるで永遠の愛を誓い合うように寄り添っている。
このリングを身につける者は、きっと気付くだろう。これは単なる宝飾品ではなく、百年以上の時を超えて紡がれてきた愛の物語の証であることを。そして、これからも末永く、新たな愛の物語を紡ぎ続けていくことを。