◆緊急出品!!「悠」が「琴童」に? 伝統尺八の可能性を再発見! ◆REIZAN TUNED Shakuhachi


bamboo108さんの動画に触発されて
ご存知の方も多いと思いますがYoutubeでbamboo108さんが伝統尺八の良さをずっと発信されています。長年のご経験から現代尺八と伝統尺八のそれぞれの特性を理解された上で素朴な伝統調律の「竹笛」を作りながら、伝統尺八の復権を目指していらっしゃいます。REIZANはこれまで悠などの量産尺八を泉州や龍畝などの現代尺八に近づける改造を行なってきました。やはり「良く鳴る」「大きな音が出せる」「ピッチが正確」な尺八を求める人が多いからです。しかし今回(12/31)のbamboo108さんの動画をみて「こういう改造もありだな」と刺激を受けました。

伝統尺八の調律にも一理あり
悠は古い琴古尺八を元に設計されているので伝統尺八の特徴を残しており、舌面角が緩かったり第3孔や第5孔のピッチが高めです。最近の悠は第3孔を小さくしてピッチを下げて現代尺八に近づけようとしていますが・・・。ところがbamboo108さんは全く逆の方向の改造を行い第3孔を上に大きくしてピッチを上げ完全な伝統調律の尺八に改造したのです。このようにすると「チ」を吹くときに指をかざしたり少しメリ操作を加えないと「ラ」の正しい音程は出せません。しかし「チのカリ」が使えて「シ♭」の音程が楽に出せます。特に甲音では「ヰ」を用いると現代尺八よりも容易に出すことができます。メリカリが上手に使える人であれば伝統調律は全く苦になりません。

浅い歌口・緩い舌面角の絶大な相乗効果
現代尺八の歌口ではエッジ幅が広めで深さは4mm以上は当たり前で5mm以上の深いものもあります。また舌面角は20度近い急傾斜の楽器も増えて来ました。これらの特徴を持つ尺八は構えが決まれば容易に大きな音が出しやすく、息の強弱によってピッチが変化しにくい特徴があります。それに対して伝統尺八の浅い歌口は大きな音は出しにくいです。しかし息の出口をエッジに限界まで近づけることによって深いメリ操作が可能になります。また緩い舌面角は息の強さで音程を大きく変化させることができます。この2つの相乗効果によって、伝統尺八ではメリ操作によって音程を最大1音半ぐらい下げることができます。現代五孔尺八ではツの半音(ミ♭)を出すとき第1孔の9割近くを塞がないと正しい音程が出せませんが、この尺八ではアゴのメリ操作をしっかりすれば6〜7割の塞ぎ方でも正しい音程でびっくりするぐらい大きな音量で半音が出せます。

bamboo108さんを超えるために
今回の作品はbamboo108さんの動画がきっかけになりましたが、ただ真似をするのでは芸がないのでREIZAN改造悠のエッセンスをいくつか盛り込みました。
①開口部上端の形状は「勝也タイプ」・・・滑らかな3D形状は口元にピッタリフィットします。
②エッジ裏を精密加工・・・そのままでは息の通りがイマイチだったので泉州のエッジ裏加工を応用し音量をアップ狙いました。
③123孔の内部を拡大・・・指孔の大きさを変えず内側斜め下に拡大して音抜けがよくなりました。
④歌口外径の補正・・・オリジナル悠は上管の歌口部分の左側が右側に比べて膨らんでいるのを左右対称に整形しました。
⑤管尻孔の拡大・・・筒音が微妙に低かったのでここを広げて補正しました。
⑥赤色塗装・・・・・見える部分だけですが高級感がでました。
昨日bambooさんの動画を見て、今日はお雑煮を食べてすぐに作業をして完成させ出品した次第です。2025年の初出品は予想以上に出来の良いものになりました。この尺八は1音1音の響きを大切にしながら、歌うように吹ける方に吹いてもらいたいです。

【諸元】長さ540mm 重さ426g 頭部直径37mm   底部直径53mm 歌口内径縦21mm 横21mm エッジ深さ2.5mm 最大指孔11mm
(留意事項)
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