琴古流 尺八 一尺八寸 古管


 広沢静輝(1894~1949)の作です。
 広沢は尺八を宮内直方および初代川瀬順輔に師事。都山流の多い大阪(当時)において、琴古流尺八「竹声会」を組織し活躍しました。
また小野寺源吉の《鶴之巣籠》は、乳井建道→広沢静輝→海道普門のルートで伝承され、海道普門(道祖)がいわゆる「道曲」として大成させ、今日見られる演奏形態になったことは周知のとおりです。
 広沢は演奏はもちろんのこと製管においてもその才は長けており、広沢と交流のあった都山流の製管師・玉井露京(竹仙)は「広沢先生の作った竹はよく鳴る」と自分の弟子たちに話していたといいます。玉井との交流により製管技術にも影響をもたらしたのでしょうか、広沢は焼き印を何種類か使い分けていますが、本作に捺してある焼き印のものが特に出来が良いと感じます。
 寸法は一尺八寸。孔割りはおそらく十割りかと思われます。重量は412g。内部の設計は製管当時のものと思われますが、修理箇所が見られますので表記の価格にてお譲りします。
 ずっしりした豪管ですが、派手な音色がしますので外曲などの俗曲を楽しみたい方に向いているかと思います。あるいは京阪地方の本曲を吹いても面白いかもしれません。
 歌口まくらと尺八袋が付属しています。袋は比較的きれいな状態です。
 詳細は画像をご覧の上、ご検討いただければと思います。値下げはしません。