茶道具 料理の額縁『木製 東大寺 日の丸盆 根来丸盆 (径42,1㎝)刳り貫き 在名「漆仙」⑤』茶事 七事式 茶懐石 表千家裏千家 千家十職会席膳


サイズは、径42,1×高さ2,3×底径33,8㎝です。使用感はありますが、気になるような大きな傷みは見当たりません。美品です。
1枚の木を刳り貫いて作られたようで、木目から読み取れます。ずっしりと重さがあり、ケヤキ・胡桃・栗などの堅い木の種類でできています。一連の茶道具はお茶の先生宅よりお譲りいただいたものです。
東大寺二月堂の行法の際,練行衆(篭りの僧侶)が食堂で飯椀・汁椀・菜椀・木皿などの食器類をのせるために使用する盆です。
十分に乾繰させた良質の材から,円盤状素地を轆轤挽き成形,堅地に仕立てて総体に黒漆の地塗りを施したのち,線の立ち上がりを除く表面にのみ朱漆による上塗りを行って仕上げている。
円形の盤という単純明快な形のなかに,洗練された美を表現することは至難の業と言わねばならないが,使いやすく機能性に富んでいることが結局はそのものの造形性を高め洗練された美を形づくるのである。重厚な樫木の板を材としながらいささかも武骨さが見られないのは,裏面の周縁部を面取りにして,縁造りを薄手にしつらえていることに起因するところが大きい。厚味を残す平滑な底面の造作においても,円形に浅く刳り込んでいることが重量の軽減に役立ち,しかも変形防止のうえでも効果を発揮しているのである。使う側の立場に立った作者の繊細な心配りが偲ばれるところである。