清少納言の日記「枕草子」安土・桃山時代・慶長二年(1597)の古筆(自筆)貴重書・落款入・茶道・茶道具・26-1
自筆「枕草子」は、松江藩七代藩主・松平治郷の正室・方子所蔵の原本で、出品者の家で代々所蔵している原本を出品 | |
商品説明 |
松江藩七代藩主・松平治郷の正室・方子・旧所蔵の自筆「枕草子」の古切(断片)原本です。文字は典雅な筆跡が魅力的で、繊細な文字が「美の業(わざ)」の結晶として海外において高く評価されております。貴重な「枕草子」原本を身近なものとして鑑賞することができます。 |
自筆原本 |
原本の稀少価値は、和紙の生成技法の緻密さにあります。上の「拡大断層(MRI)写真」でわかる通り、極めて薄い和紙に墨の文字がくっきりと浮き上がるように「枕草子」の和歌が記されております。 出品している原本の「断層(MRI)写真」の原板は、レントゲン写真と同じ新聞の半分ほどの大きさのフィルムです。肉眼では見ることのできない和紙の繊維の一本一本のミクロの世界を見ることができます。日本国内では医療用以外には見ることのできない原本の「断層(MRI)写真」です。 原本は、一旦表装を剥離し分析と鑑定検査のために「断層(MRI)写真撮影」をしております。撮影後、展示のために再表装をしております。掛軸や屏風にすることが可能なように、「Removable Paste(再剥離用糊)」を使用しているため、原本に影響をあたえずに、容易に「剥離」することができるような特殊な表装となっております。 |
断層写真 | 従来、日本の古美術の鑑定の際の分析・解析は、エックス線写真、赤外写真、顕微鏡が中心です。一方、アメリカやイギリスでは研究が進み和紙の組成状況を精確に分析・解析をするために断層(MRI)写真が利用されており、今回の出品に際し、「断層(MRI)写真」を資料として出しました。本物を見分けるための欧米の進んだ分析・解析技術を見ることができます。 |
自筆の識別 |
①・自筆の筆者の識別方法について 国内における鑑定人は、自筆の筆者を識別するために、個々の文字ごとに字画線の交叉する位置や角度や位置など、組み合わせられた字画線間に見られる関係性によって、個人癖の特徴を見出して識別する方法、また個々の文字における、画線の長辺、湾曲度、直線性や断続の状態、点画の形態などに見られる筆跡の特徴によって識別する方法、そして、書の勢い、速さ、力加減、滑らかさ、などの筆勢によって識別する方法が一般的な手法です。 一方、欧米では一般的には、「筆者識別(Handwriting Analysis)」と呼ばれる文字解析をコンピューターの数値によって解析しております。数値解析は、文字の筆順に従いX、Y座標を読み、そのX、Y座標をコンピューターへ入力後、コンピューターによって多変量解析を行うものです。解析の基準となるのが「ドーバート基準」で、アメリカでは日本国内の画像データを自動的に収集、自筆の分析に際し、数値データをコンピューターで自動的に解析し「極似」した画像データによって筆者を識別する研究が進んでおります。 ②・筆跡について 欧米では、筆跡の細部を検証するには人間の目ではなく、指紋の照合と同様アメリカではコンピューターが利用されております。資料として断層画像写真を出品欄に掲示しております。 |
寸法 | 原本の大きさは、タテ23.5センチ ヨコ8.2センチ。額縁の大きさは、タテ40.0センチ ヨコ30.0センチ。 |
現代の極札(断層画像写真) | 「極付(きわめつけ)」は、「極札(きわめふだ)」と同じ意味です。古来、鑑定の目的で添付される「極札(極め付)」は、「折り紙」でありましたため、「折り紙付」とも称されました。「極め札」を「極付」とも称するのはこうした理由によるものです。アメリカでは、電子顕微鏡や断層写真などの高度な先端科学技術を用いて判断をしているため「断層写真」が現代の「極め札(極付)」となっております。 |
稀少価値 | 出品した「枕草子」原本は、5行ごとの自筆の断片で構成されております。このような断片を「古切」といいます。貴重な和歌を断片化し、掛軸などに表装し鑑賞していたものです。「枕草子」は、元来三巻本の一冊であり、後の時代に巻物となり、さらに時代が下り、屏風立てや掛軸となります。主に茶道の道具として用いられていたものです。 古切となったのは江戸時代末期であり、最終所有者は仙台藩医・木村寿禎です。 額縁裏面ラベルの「The Pillow Book of Sei Shonagon・Princess Yorihime」の表記は海外展示の仕様です。 |
HP |
出品者のホームページ「源氏物語の世界」はこちらです。 ツイッターは「源氏物語の世界」 はこちらです。 |