古くから香として焚いて使用されていた記録が残されている。また、殺菌作用を持つことが知られており、鎮静薬、鎮痛薬としても使用されていた。
古代エジプトにおいて、日没の際に焚かれていた香であるキフィの調合には没薬が使用されていたと考えられている。また、
ミイラ作りに遺体の防腐処理のために使用されていた。
ミイラの語源はミルラから来ているという説がある。
聖書にも没薬の記載が多く見られる。出エジプト記には聖所を清めるための香の調合に没薬が見られる。
東方の三博士が
イエス・キリストに捧げた3つの贈り物の中にも没薬がある。没薬は医師が薬として使用していたことから、これは救世主を象徴しているとされる。また、イエス・キリストの埋葬の場面でも遺体とともに没薬を含む香料が埋葬されたことが記されている。
東洋においては
線香や
抹香の調合に粉砕したものが使用されていた。