今はもう亡くなった友人から30年ほど前に譲ってもらったものです。
1990年代初頭、日本のバブル景気に後押しされ日本メーカーは相次いでF1のエンジンに参入しようとしていました。マクレーレン・ホンダやティレル・ヤマハ等、実際にサプライヤーとして参戦するメーカーがあった他にも様々なメーカーがF1エンジンを試作しました。スバルはモトーリモデルニと組んで開発した水平対向12気筒エンジンをコローニに搭載しましたが、残念ながら予備予選通過ならず。スズキはYR-91(V12)・YR-95(V10)といったエンジンを試作。HKSも300EというV12エンジンを開発(これは2023年のオートサロンで展示されていました)。
そしていすゞも「P799WE」という3500cc/V型12気筒NAエンジンを開発し、ロータスのマシンに搭載し、シルバーストーンサーキットにおいてジョニー・ハーバートのドライブで実走行まで漕ぎ付けたというのは有名な話です。残念なことにこのプロジェクトはここで終了したようです。
ここからは友人の話です。このエンジンパーツ(タペットカバー&エクゾーストマニホールド)は、現存しているP799WE(タミヤ本社にて展示されているようです)の前段階の”試作エンジン”として製作されたものの一部だということです。どのような経路で入手したのか、今となっては聞くすべもなく分かりません。
パーツを観察した結果、私なりの考えを述べます。
タペットカバー(ヘッドカバー)の材質はわかりませんが、錆が無いのでおそらくアルミ合金でしょうか。3気筒分しかありませんが、一般的なタペットカバーよりはるかに多いボルト数で装着されるようです。内部には補強のリブが多数でかなりの高強度。そしてIN/OUTカムシャフトの上部にオイルラインがあり、それぞれのカムシャフトに向かってオイルジェット穴があります(写真参照)。このオイルジェットが、このエンジンが紛れもない「レーシングエンジンの証し」だと感じます。通常のエンジンで、タペットカバーからのオイルジェットなど見たこともありません。
エキマニ(排気管)についても材質はよく分かりませんが、ストレート部分は磁石はまったく反応しませんが曲線部分はわずかですが磁石が吸い寄せられます。直線/曲線部で違う材質のようです。
以上、事実は分かりませんが幻の国産F1エンジンの「夢のかけら」としてロマンを感じさせるパーツだと個人的には思います。歴史的な考証としての存在価値を感じた方にお譲りします。
【大きさ】
・タペットカバー 35cm×20cm
・エキマニ 全長48cm
送料は無料です。おてがる配送(ヤマト運輸)にて発送します。
支払は【Yahoo!かんたん決済】のみ。
・商品説明は上記がすべてです。
・写真に写っているものがすべてです。
・発送まで数日お時間を頂戴する場合がございます。
・中古品ですのでノークレーム・ノーリターンでお願い致します。
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