蘭学に命をかけ申し候


杉本 つとむ  皓星社  
日本の近代化は明治維新によってかえってゆがめられたのではないか。幕府は西洋諸国の学芸、技術、精神文化を日本に移植し、洋学による「富国厚生、殖産」を国家の最優先政策として強力にうちだした。その先端を担った馬場佐十郎、稲村三伯、藤林普山、H.ドゥーフ、野口豹蔵ら幕府翻訳方はじめとする幕末知識人とその協力者の仕事を明らかにし、その学問の今日的意義に及ぶ。