JOHN TAYLOR KENNY WHEELER RICCARDO DEL FRA ジョン・テイラー ケニー・ホイーラー リカルド・デル ・フラ OVERNIGHT 澤野工房
ケニー・ホイラーとジョン・テイラーが組んだとき、格別の抒情美が生まれる。そんな長年の
定説は今も生きている。アルバムの最初、ほんのわずかの時間で旋律が詩を綴り始め、コード
はその詩が望んでいる風景となって浮かび上がってくる。作曲者ケニー特有の旋律。そこには、
古い教会旋法の名残りがある。ジョンのごく短いピアノのイントロは珠玉の輝きを放ち、曲その
ものの魂を引きだしている。ケニーはまるで歌心の権化のようだ。音でしか描くことのできない
物語へとあなたをいざなうだろう。ジョンの和声感覚の瑞々しさ、アドリブ・コーラスの素晴ら
しさ。そしてさりげなく、しかし大事な貢献を果たすリカルド・デル・フラのベース。全ての曲
に豊かな楽想と工夫があり、即興演奏の醍醐味が味わえる。ケニー&ジョンといえばECMサウンド
がイメージされるけれど、ここではエコーによる装飾がなく、楽器の素の響きが生かされ一味違う
ものに仕上げられている。ヨーロッパ第一線で活躍してきたベテランたち。その確かな腕前に改めて
敬服してしまう。
01. For Dor
02. The Strange One
03. The Woodcocks
04. Fable
05. Between The Lines
06. Soldering On
07. Old Ballad
08. And In Her Eyes
09. Evansong
10. Half Baroque
11. Strange Too