寛政6年(1794)彗星のごとく浮世絵界に登場した写楽は、わずか10ヶ月の期間に140数点に及ぶ
浮世絵を世に送り出し、忽然と姿を消しました。写楽の活動期間が短かいのは、役者の個性を
美醜を問わず描いた迫真の描写が、当時の人々に受け入れられなかったからとも言われています。
しかし、今では億単位の価値(評価)があり、躍動感溢れる役者絵は現在の目にも今なお新鮮です。
余談ですが、江戸期の写楽の浮世絵はほとんど残っておりません。当時のオリジナルの写楽画は、
その大方が海外に流出しており、現存する写楽を見たければ、日本から遠路はるばる海外の美術館に
足を運ばなければならないという現状なのです。その様な実情からか?写楽の絵はとても高額です。
※旧聞では1989年3月、NYでのオークションで「三世坂田半五郎の藤川水右衛門」が約6千万円で落札されています。
20世紀初頭、写楽はドイツの心理学者ユリウス・クルトによって、レンブラント、ルーベンスと
並ぶ三大肖像画家の一人として紹介されるなど、海外でも高い評価と賞賛を獲得しました。
写楽の正体には諸説ありますが、今なお謎に包まれた江戸の天才浮世絵師です。本作品集では、
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