第一次世界大戦中、フランス植民地で採用されていたフランス海軍の制服
所謂「メスジャケット」とデザインが酷似しておりますので正装用かと思われます
当時の植民地と言えばモロッコなど北アフリカあたりでしょうか、暑い地域ではコットン素材の燕尾のないデザインが風土に適していたのでしょう
全て金色のチェンジボタンに肩章付き
まるで中にベストを着用しているかのようなだましデザインが他の制服とは一線を画し、重厚ささえ漂います
腕の立体裁断や後ろ姿をスマートに魅せる縫製
アームホールが狭い割には腕の動きやすさを計算され、曲線美も兼ね揃え仕立てられたエレガントなフォルム
身体に綺麗にフィットすることがダンディズムとされた19世紀前半の名残りが感じられる逸品です
◆メスジャケットの始まりは19世紀末、ところはアメリカ海軍の真夏の軍艦の中…
当時、ディナーは軍艦内といえど正装の燕尾服を着用して食べるのが慣習でした
しかしあまりの暑さに耐えかねた艦長が非公式に燕尾服の尾の部分を切り落とした、というのが発端とも言われております
ちなみに、MESS(メス)とはアメリカのスラングで”メシ”という意味合いだとか
のちに正式な礼装服として仲間入りを果たしたとのこと
※お洗濯の際は必ずチェンジボタン、肩章を外されてください