古い御家 稀少な 銘あり 一文字 初代出羽守行廣 鑑定書あり 生ぶ茎 業物 大肌物 380年前 傑作刀 上作


前回、悪質な入札があったため、今回あらためて出品しております。
本刀は、肥前国の名工・出羽守行廣(でわのかみ ゆきひろ) の作。行廣は初代忠吉の流れを汲む肥前刀工の名門に属し、正保年間に「出羽大掾」を受領、のちに「出羽守」を拝命した実力派の刀匠です。銘頭に刻まれた「一」の字は、彼が備前伝を深く学び「肥前一文字」を称したことを示し、肥前刀中でも特に珍重される存在です。
地肌は見事な杢目肌にして、地沸微かに付き、地景流れ立つ。緻密に鍛えられた地鉄は詰み澄み、まったく鍛え疵・刃切・錆を見ない。刃紋は直刃調で明るく冴え、清涼な匂口が際立ち、静謐の中に品格を湛える。
全体の重量・バランスも極めて優秀で、手に取れば軽やかで扱いやすく、鑑賞刀としても実用刀としても抜群の出来。鍛造の緻密さと美観を兼ね備えた、まさに「美術と実用が融合した一口」です。
刃長66.5㎝、反り程よく、元幅3.0㎝、元重0.7㎝、先幅2.0㎝、先重0.6㎝、重ねの厚みと均整が絶妙。重量はわずか572gと軽快で、抜き味・姿ともに理想的なバランスを見せます。
現在、出羽守行廣の在銘品は市場でも非常に少なく、特に「一」字を冠した作は滅多に見られません。状態極めて良好で、地刃ともに欠点なく保存されています。
美術刀剣としても逸品であり、今後の鑑定において「特別保存刀剣」に列する可能性も十分にあるといえるでしょう。
名門肥前刀の気品と備前伝の美を併せ持つ、稀少な一口。見逃すことのできない名品です。