人間国宝 三代徳田八十吉 碧明釉三足香炉 九谷焼


人間国宝・三代徳田八十吉による日本陶芸の粋を極めた三足香炉(こうろ)をご紹介します。高さ約13cm、幅約13.5cmの本作は、伝統的な九谷焼に革新をもたらした三代八十吉の代表的技法「碧明(へきめい)釉」によって彩られています。深みある青のグラデーションは、光と影の中に無限の広がりを感じさせ、まさに現代陶芸の頂点と呼ぶにふさわしい逸品です。日本文化の真髄と美の結晶を体現した、ミュージアムクラスの希少な作品をこの機会にぜひご覧ください。

人間国宝・三代徳田八十吉(19332009)は、日本陶芸史においてきわめて重要な存在とされる名工です。石川県に生まれ、代々陶芸に携わる家系に育った彼は、父・二代徳田八十吉のもとで修業を重ね、1988年に三代目「八十吉」を襲名し、優れた芸術性と技巧を受け継ぎながら新たな地平を切り開きました。

1997年には、彼の卓越した「彩釉(さいゆう)」磁器の技術が高く評価され、国の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定されました。この称号は、日本政府が伝統工芸の分野で特に優れた技を持つ人物に授与するものであり、その技術は日本文化の「宝」として、次代に継承すべき価値を有しています。

徳田八十吉の釉薬技法が特に注目される理由は、従来の上絵付けよりも高温である約1050℃で焼成されている点にあります。この高温焼成により、釉薬表面がガラス化し、色彩と光が釉層に閉じ込められることで、深みと輝きを持つ独特の表情が生み出されています。その奥行きある透明感こそが、彼の作品が高く評価される所以です。

本作の香炉では、碧明釉が濃厚なコバルトブルーから透き通るようなターコイズブルーへと移ろい、まるで水や空の本質を捉えたかのような幻想的な世界観を醸し出しています。釉薬が表面を流れながら自然に生み出した模様は、波や雲の動きを思わせ、見る者に静かで豊かな余韻を与えてくれます。

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(2025年 4月 30日 19時 19分 追加)
品物には、共箱・欝金共布・陶歴書が付きます。