アンティーク(推定20世紀初期) 「英国の貴女」


縦:約26mm(枠含32mm)
横:約20mm(枠含27mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ

カメオの原点であり高級品とされるストーンカメオ。
しかしながら現在のストーンカメオは99%機械生産品であり、工芸品ではなく工業品と呼ぶべきものが大半を占めます。
このカメオの機械生産は1970年代から起こったもので、それ以前の作品は昔ながらの手彫りのカメオであり、作品数もずっと少なく、そして価格も誇張無しに桁2つ高価なものになります。
今回のカメオはフレームからすると20世紀初期の作品。
20世紀にはいるとストーンカメオの彫刻技術はやや落ちてきますが本作は第1次大戦~第2次大戦の間に作られたもので、彫り方は19世紀のものと変わっていません。
モチーフはイギリスの貴女のようで、当時のストーンカメオの題材として良く描かれたのはエリザベス1世やメアリー・スチュアートがおりますのでそのいずれかと思われます。
母材がオニキスのため像の厚みはやや低く、アンティークのストーンカメオとしては並品といったところながら、現代の量産品と異なる本道のアンティークのストーンカメオの良さをしっかり押さえた品となっております。

石はブラックコーヒーのような地色と白色のコントラストが美しいオニキス。
表12時から2時の縁の部分に濃いこげ茶色がみえたり光にすかすとごくわずかにマデイラ色に見えることから現代の着色石ではなく天然オニキスであることがはっきりわかります。
状態は完璧で、繊細な髪先をふくめ像はもちろん縁にもチップ無しです。

フレームは14ctローズゴールド。
こちらも状態が非常によく、目立つような傷みはありません。
キャッチは古典的なカニカン式で、アールデコの頃までよく見られたもの。
ピンにわずかに曲がりがあるものの、これはブローチとしてのピンのテンションを調整した結果で傷みではなく、キャッチもしっかり作動します。