明治初期 香蘭社 染錦牡丹文団扇形皿 伊万里 有田
香蘭社が設立されたばかりの極初期、1875(明治8)年~1880年代に製作された変形皿を出品致します。
扇子と団扇を交互に組み合わせた形の皿の中央に牡丹が染付で大きく描かれています。左右の団扇には艶消褐色を地色にして花と蝶が描かれています。団扇だけの図柄であるかのように見せかけて、実は扇子と団扇の図柄が4面ないし2面にわたり繋がっているという、だまし絵のようなデザインです。風をおこし、涼をとるための道具として、扇子は日本、団扇は中国を起源としますが、その両者が一緒になり、西洋人にとって東洋のエキゾチズムを醸し出すようなアイテムとして機能しています。1870年代のフランスを含む欧州で一大ブームとなったジャポニスムを背景とした作品です。
寸法は、横幅が32cm、縦幅が25cmです。
150年前の品物ですが、ワレ・カケ・ヒビなどの瑕疵はありません。ありがちな擦り傷や金彩の掠れもなく、とても綺麗な保存状態です。
この変形皿にはいくつかのヴァリエーションがありますが、明治初期に欧米で人気を博した染付牡丹文六角大皿と同じように、牡丹の図柄を中央に大きく配した団扇形皿は初見です。団扇形皿の定番の意匠よりも洗練されて垢抜けた印象を与えています。
私の出品写真と本説明文をそっくりそのまま盗用して、格安で販売しますという詐欺サイトが最近いくつかあるようです。私がその様な詐欺サイトに並行出品していると勘違いされた方から酷い罵詈雑言を浴びせられたことがありますが、私はオークションサイト以外には出品しておりません。
因みに、明治陶磁器のブログも書いておりますので、宜しかったらごらんください。
https://karatsu.hatenadiary.com/