惰性に陥った教育システムの問題点や諸外国における教育改革への取り組みと成果などを紹介する。
まずは、現在の若者から知性が失われつつある現状を浮き彫りにする。
社員、アルバイト教育は「読み書き」から始めなければならない企業の苦悩。
また、技術の前にまず挨拶といった社会マナーの基本から教え込まなければならない大学医学部の苦い実態が明らかになる。「大学1年生は小学13年生」という大学関係者のぼやきが、日本社会の近未来を暗示している。
次いで、教える側の問題に迫る。ゆとり教育がもたらした「貧しい公教育」、豊かさの中で目標を喪失し、競わず閉鎖的な環境の中で混迷している学校。
その背景には、国がサービスの中身を一律化する「もう1つの社会主義」があるとし、
文部科学省の予算配分、許認可権行使の問題点を指摘する。
企業には社員教育投資を不要不急の経費とする傾向に疑問を投げかけ、窮地にこそ人材育成に活路を見いだそうとした米企業との違いを示す。
(日経ビジネス 2001/09/10 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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