Vib Fryce 鉄の削れる廉価なCNCです。


従来のフライス盤は、エンドミルを回転させ、これを送ることだけでワークを切削しておりました。
このようなフライス盤にて硬い材料を切削すると、エンドミルがワークを切り進むことにより、大きな切削抵抗が発生して、エンドミルが右回転していれば、エンドミルの前方の切削抵抗により、エンドミルは左側に押されながら切削することになります。この時フライス盤が頑丈に出来ていないと、エンドミルは本来切り進む位置よりも左にずれながら進むことになります。
またフライス盤が頑丈でも、エンドミル自体の弾力により、エンドミルの先端は左にずれながら切り進むことになります。
さらに、フライス盤の構造が堅牢でない場合は、エンドミルは更に左にずれながら切り進むことになります。
エンドミルが押されてずれると、エンドミルは一気に大量のワークを削ることになり、切削抵抗は大きくなり、エンドミルを押す力も大きくなり、この力に耐えられなくなると、エンドミルは蛇行するか折れることになります。
このような理由から、堅牢なフライス盤でないと硬いワークは削れませんでした。
また、ワークに切り込む際、及びワークから出るさい、さらにワーク内で複雑な切り進み方をすると、エンドミルに大きな力が加わり、正常な切削が出来ませんでした。
 
これらの現象は、エンドミル及びフライス盤が切削抵抗に負けることから発生しておりますが、エンドミルに円形の振動を加えますと、エンドミルの回転力と振動の力が同時に作用することにより、エンドミルが押されてずれる前に、ワークが削り飛ばされますので、エンドミルに働く横方向の力は無くなります。
エンドミルが切り進む際に発生する横方向の力も、エンドミルが振動によりワークに叩きつけられる状態で切り進みますので、エンドミルの右側と接しているワークも十分に削れるために、横方向から押される力は殆ど無くなります。
従って、かなり安定した切削が可能になります。
 
このフライス盤で大切な振動の強度を合わせやすくするために、振動センサーを取りつけ、この出力をコンパレーターに入れてLEDで適切な振動の強度を表示することで、調整しやすくしております。
又、このための電源も実験用の安定化電源を使用して調整しやすくしております。
振動の強度は、切込み、切削送り、ワークの種類により変わりますので、最初の設定値は、大まかな目安だと考えて、切削を繰り返すことで適切な強度を体得してください。
LEDが点灯していれば、とりあえず鉄が削れると言ったところです。
 
 
参考までに、切削の様子の動画のURLを貼って置きます。
https://youtu.be/00B-6HwsexI?si=QDxvq8X24Ws-8573
この動画は16倍速です。
実際の切削速度は100mm/min
ステップは、0.2mm
エンドミルは、2mmのスクエアータイプです。
材料は6ミリ厚の鉄板です。
切り出しているものは、以前販売しておりました、エアーガンの引き金です。
 
この商品は、組み立てた状態で発送致します。
電源の接続以外の作業は不要です。
切削油は付属しませんのでお客様の方にて購入してください。


(2025年 7月 15日 23時 20分 追加)
※複数出品しておりますので、品切れの際には10日ほどお待ち頂くこともございます。
宜しくご協力をお願い申し上げます。