井上延年 井村彦次郎 台座付き編竹地松鷹図花瓶 明治 瀬戸焼 横浜焼


明治期瀬戸の井上延年が素地を作成して、井村彦次郎がそれに横浜で絵付けを施した作品を出品致します。

京都東山は清水坂にある五龍閣はご存知でしょうか。国の登録文化財五龍閣は、約百年前の大正12年に竣工された清水焼窯元を洋食器・ガイシ・陶歯の製造へと国際的な事業に発展させた明治の起業家"松風嘉定"の邸宅です。この松風嘉定の実父が井上延年です。

延年は、尾張国瀬戸に天保13年10月(1842年)に生まれ、大正3(1914)年8月9日に没しています。明治20年京都陶器会社につとめましたが京都陶器会社が解散後、清水坂下で作陶を続けました。また、明治33年ころには東京工業学校(現、東京工業大学)にその高い技術を評価され、陶磁器製作の模範技術工として勤務しています。

井村彦次郎(1897明治30年没)は、美濃や瀬戸から素地を横浜へ運び、陶磁器の絵付工場を明治8年(1875)に開きました。明治10年には職工200人を抱え、工場を4つ所有するまでになっていたようです。名古屋絵付けの先達、松村九助が開洋社を設立したのが明治11年ですから、民間の絵付工場としては井村彦次郎を嚆矢として良いでしょう。

出品の作品は、花瓶が高さ24cm、竹を模った台座の高さが6cmです。従って、台座に乗せた状態の高さが30cmになります。ワレ、カケ、ヒビなどの瑕疵はありません。とてもきれいな状態です。花瓶全体に編み竹模様を描き、雀とそれを狙う鷹を描いています。松が不老長寿や繁栄、鷹が志の高さや成功を象徴し、武家社会で権力や武勇の象徴としても扱われました。

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(2025年 9月 11日 8時 55分 追加)
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