YELLOW JACKETS  イエロージャケット  THE SPIN


この時代のイエロージャケッツは、キーボードが中心のバンドに変身している。しかも、このアルバムでは、
ドラマーが交代したことによって、バンドの音がしなやか、かつジャジーになり、良好なフュージョン・サウンドに
立ち返っているのだ。加えて、バンドの音がしなやかになることによって、打ち込みのリズム&ビートも耳につかなく
がら面白い。ジャジーになったとは言え、サウンドはメインストリームなエレ・ジャズなサウンド。ラッセル・フェランテの
キーボードが後ろにドッカリと控えてつつ、マーク・ルッソのサックスやジミー・ハスリップのベースが目だっているところは、
ウェザー・リポート後期のサウンドを彷彿とさせる。疾走感溢れ、爽快で明快なフュージョン・サウンドである。
他のバンド共々、1980年代のデジタルの波に翻弄されたイエロージャケッツではあったが、ジャジーなドラマー
を据えることで、良い方向でデジタル録音、デジタル楽器の「難点」をクリアした。その最初の成果がこの『The Spin』
である。爽快で明快、かつ流麗なフュージョン・ジャズな大人ので、ながら聴きに最適です。実際、我がバーチャル
音楽喫茶『松和』では、お勧めの「ながら聴き」盤の一枚です