武蔵野夫人/溝口健二 輸入版
武蔵野夫人/溝口健二 輸入版
監督が代わって、演じる役柄が違うとこんなにも別人になりうるのかと改めて田中絹代という女優の凄さを見せ付けられる作品である。小津安二郎監督の「風の中の牝鶏」の常に夫の目を気にしている妻とこの映画における気品のある妻が同じ人物だとはとても思えない。武蔵野の良家出身の妻(田中絹代)とそれに引け目を感じている夫(森雅之)、妻の義理の弟(片山明彦)、隣に住む親戚の男(山村聡)とその妻(轟夕起子)を中心に展開される人間ドラマ。東映時代劇の名脇役として大活躍する進藤英太郎が父親役で出演しているが、この人もまったく違うイメージを創り上げており、これも見所のひとつである。
没後50年を迎える溝口健二監督による、大岡昇平の同名小説を映画化した絢爛豪華な文芸叙事詩。出征以来行方不明だった青年・勉を引き取ることになった宮地家。娘・雪子の家庭教師として勉は生活するが、宮地家の妻・道子は勉を男として意識し始める。
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