アンティーク 蛍光 アイリスガラス 森林ガラス × ドイツ シルバー 830 銀製 カテドラル セッティング リング - チェコ ボヘミア


アンティークのアイリスガラス(恐らくチェコ製)を、ドイツ製のアール・デコ期のアンティークリングにセットしました。

アンティークのアイリスガラスの一粒ネックレス。

ピンクをメインに両端にブルーとグリーンのストライプが淡いグラデーションになって入っています。
初期のアイリスガラスに近いぼやけた色合いですが、元々はリヴィエールのネックレスでもっとはっきりした色合いのアイリス(別の出展物参照)も混雑しているため、1900年代初頭辺りの制作と思われます。
ヴィクトリア時代にはもう少し濃いコントラストの色合いはすでにあり、後代のヴィンテージ物はもっとシャープなストライプです。
サフィレットやベルリンガラス、オパーリンガラスにも言えることですが、後代になるほどすっきりはっきりとした明るい色合いと瑞々しさを感じさせる爽やかなきらめきを持つガラスになっています。
当時、すでに世紀末の暗さやぼやけた感じは好まれなくなった新たな時代に合わせてジュエリーも変化して行ったのでしょう。
この辺りのガラスは、恐らく発生が模造ガラスであることで、あまりガラスの歴史的に重要視されて来ませんでしたが、コスチュームジュエリーの歴史に於いてはかなり重要な位置を占めるものと思われます。
サフィレットを含む初期のアートガラスの組成の分析や研究もすでに始まっています。

アイリスガラスは、ライン川で採掘されるレインボークォーツの模造ガラスとして作られ、アイリスの名はギリシア神話の虹の女神イリスの英語読みから付けられています。
角度により、ガラスのカットと混入させた色で、美しい虹色のきらめきを見せてくれます。
光に対するシャープな輝きとは逆に薄暮の中では儚げな色合いを見せたり、光源によっても異なる色合いになります。
クリスタルガラス特有の、暗めのところで見られるキラキラ感ももちろんあります。
ただストライプや斑に色を入れているのみでカラーチェンジもないのに不思議ですが、角度によっても色が移り変わる、様々な色彩を持つ魅力的なガラスです。
現代では鉛を入れずに鉛ガラスに負けない輝きを出すという触れ込みのラインストーンもありますが、この鉛ガラス特有の重さのあるきつく、深く、鈍い輝きがないとなかなかアイリスガラスの美しさにならないのではないかと思います。
また、こちらはUVライトに対し蛍光性のある蛍光ガラスの森林ガラス(カリウム含有のカリガラス)で、天然石で言うとモスアゲートの苔のようなモスグリーン系の、ウランガラスとは異なる発色を持っています。
森林ガラスはドイツ(チェコ等旧ドイツ圏を含む)近辺由来の原料を発色要因としていますので、生産も周辺地域のものと推定されます。
これはアイリスガラスの模様の間に見られます。
ウランガラス様のタイプと異なり、ほとんど流通していないレアアイテム。
大変美しいガラスです。

リングはティファニータイプの立爪で下部も空けてあり、光をほぼ全方向から取り込んで内部からキラキラよく光ります。
高さもあるため、アイリスガラスの全体がほとんど外に出ている状態で、アイリスそのものを存分に楽しめます。
爪はドイツ製のアンティークリングらしくかなりがっしりガラスをホールドするデザインですが、爪は一部先端が破損しており、元のデザイン自体が薄く小さいため、ぶつけたりするとガラスが外れる恐れがありますのでお取り扱いにはご注意下さい。
元々石が嵌められていたリングと思われますが、これ以前に一度既に当方の元でガラスを載せ替えているため、爪部分は金属疲労があります。
現在はしっかり留まっていて枠の中で動くこともありませんが、セット面の裏側等の見えない部分を樹脂で強化した方が良いかも知れません。
通常使用する分には差し支えはありません。
ガラスをガードするような形状の爪なので、覆輪留めのように覆っていなくともガードル部分(下の方)は傷の付きにくい形状かと思います。
ガラスはいくつか小さな傷や擦れはありますが、大きく目立つものはなく状態はかなり良いです。
台座はドイツ製で、小傷はありますが概ね状態は良いです。
シルバーの純度を示す830の刻印が内側にあります。

アイリスガラス 直径 約 8.56 mm
リングサイズ 内径 15.56 mm


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