日本のデニム史を語るうえで、避けて通れないブランド──Denime（ドゥニーム）。
今回出品するのは、その黎明期にあたるオリゾンティ期の507XX（セカンドタイプ）モデルです。
今では幻とさえ言われる初期ドゥニームの中でも、507型は特に人気が高く、市場でもほとんど見かけなくなりました。

■ オリゾンティ期──“本物”を追い求めた伝説の時代

1988年、林芳亨氏によって立ち上げられたDenimeは、当時「日本で最もリーバイスに近いジーンズを作る」ことを掲げてスタートしました。
まだ“レプリカデニム”という言葉が一般化していなかった時代に、林氏は生地から縫製、糸の色、ステッチピッチに至るまで徹底的に研究。
その職人気質なこだわりとヴィンテージ愛が、やがてオリゾンティ（代理店）との協業を経て、後年のフルカウント、ウェアハウス、リアルマッコイズといった“レプリカ四天王”の系譜へとつながっていきます。

このオリゾンティ期こそ、ドゥニームの黄金時代。
大量生産前夜のこの時代にのみ見られるザラ感ある深いインディゴと、一針一針のテンションが均一な縫製は、後年の量産ラインでは再現不可能とされています。
まさに“林ドゥニーム”の本懐が凝縮されたプロダクトです。

■ 名作「507XX」を忠実に再現したワイドシルエット

本作はLevi’sの1950年代モデル「507XX（通称：セカンド）」をベースにした一着。
特徴的なダブルポケット構成、前立て裏のセルビッジ仕様、サイドのシンチバックタブなど、当時の意匠を徹底的に再現。
さらに、初期ドゥニームならではのワイドな身幅と短めの着丈のバランスが絶妙で、現代のファッションシーンでも“ヴィンテージらしさ”と“今っぽさ”が見事に共存しています。

■ 林芳亨とリゾルト（RESOLUTE）へ続く系譜

Denime創設者・林芳亨氏は、のちに自身の理念をさらに磨き上げ、ブランド「RESOLUTE（リゾルト）」を立ち上げます。
リゾルトが“現代に生きるヴィンテージ”であるなら、オリゾンティ期ドゥニームはその原点そのもの。
リゾルトの生地感やフィッティングの美学は、まさにこの時代のドゥニームに通じています。
林氏が体現した「日常に馴染む本物のデニム」という思想は、この507XXにも脈々と息づいています。

■ サイズ（平置き採寸）

・肩幅：47cm
・身幅：60cm
・袖丈：60cm
・着丈：54cm
※素人採寸ですので多少の誤差は御理解下さい。

サイズ表記はL。需要の高いサイズ感で、ヴィンテージ好きはもちろん、現代的なオーバーサイズスタイルにもフィットします。

■ 総評

・オリゾンティ期の旧ドゥニーム
・Lot 507／セカンドタイプ
・堅牢な縫製と深みあるインディゴ
・ワイドフィットの黄金バランス
・リゾルトへと続く“林デニム”の原点

このクラスの個体は、もはや市場にほとんど出てきません。
ドゥニームファンのみならず、フルカウント・ウェアハウス・リアルマッコイズ・オルゲイユなど、レプリカデニムカルチャーを愛する方にぜひおすすめしたい一着です。