Ultra-Achromatic-Takumar 300mm F5.6 可視光に加え赤外線・紫外線でも色収差を補正した高性能オールドレンズ【分解整備・実写確認済】


商品説明

※分解整備・実写確認済レンズを準備ができ次第追加出品中です。よろしければ出品リストからご覧ください。
出品リスト

○出品物は以下の4点です。
Ultra-Achromatic-Takumar 300mm F5.6
・専用フロントキャップ(PENTAX
・リアキャップ(PENTAX
・Kenko MC PROTECTOR

・小冊子『ASAHI PENTAX TAKUMAR LENSES』の中に、このレンズについての関連ページがあり詳しい説明が出ています。それによると、このレンズは蛍石(フローライト)を使用することで可視光に加え赤外線と紫外線でも色収差の補正がしてあり、普通にピント合わせをするだけで赤外線や紫外線でもピントが合うそうです。
Ultra-Achromaticの意味を天文関係の書籍等で調べたところこのような説明がありました。
(1)アクロマート 2色について軸上の色収差を補正
(2)アポクロマート 3色について軸上の色収差を補正
(3)スーパーアクロマート 可視光の3色に赤外線を加えた4色について軸上の色収差を補正 
(4)ハイパーアクロマート 可視光の3色に赤外線と紫外線を加えた5色について軸上の色収差を補正
※出品したレンズはハイパーアクロマートと同じではないかと思います。
・実写確認もしてみましたが解像力の高い撮影結果が得られました。
・フォーカスリングの操作感を改善するためにCOSINAがヘリコイドラッピングと呼んでいる方法を参考にして同等の作業手順でヘリコイドの溝を研磨しました。この方法の詳細については、以下のリンク先に説明(pdfファイル)を置きました。
ヘリコイドラッピングの概要と効果

※参考までに商品写真に,この個体による実写例を入れましたのでご確認ください。実写例はSONY α7RⅡによるもので、すべてフルサイズ画像です。これらを含めた高解像度画像の実写例を以下のリンク先で確認できます。任意の画像を選択後「オリジナルを表示」または「ダウンロード」にすると,4240万画素の画像を部分拡大して見ることができます。また,ここでは商品の詳細画像も確認できます。

高解像度実写例と商品の画像

【外観及びレンズの状態】
・外観は経過年数相応のもので黒色塗装の小さな塗装の剥げが所々に見られますが比較的きれいな状態だと思います。
・コーティングの状態は良好です。
・内部のレンズも含めて透明度が大変高くクリアな光学系だと思います。
・光学系には、カビ,カビ跡、くもり等の劣化は見られません。5群5枚構成のレンズであるため貼り合わせレンズがなくバルサム切れは発生しません。

【可動部の状態】
・フォーカスリングは全周にわたって一定の手応えでスムーズに回転します。逆転時の遊びはなくピント合わせを正確にできます。ヘリコイドにラップ研磨処理を行ったため、回転時に指先にざらつきやトルクむらなどの違和感が伝わってくることはありません。
・絞りリングは軽い力でスムーズに回転し、クリック感も良好です。
・フォーカスリング及び絞りリングは多くの方が良好だと感じていただける操作感に整備できていると思います。
・絞り羽根の動作はPENTAX SPボディに取り付けて確認しましたが,シャッターに連動して迅速に開閉しました。

【このレンズの特徴等】
・M42マウントのレンズです。
・フィルター径は58㎜です。
・引き抜き式の組み込みフードがあります。
・使用されている5枚のレンズのうち1枚目と3枚目が蛍石(フローライト)で、このレンズがかなり高価なものだそうです。
・蛍石は普通のレンズと比較するとやわらかく、へき開する性質があるためできるだけ触れない方が安全です。前玉には常にレンズプロテクターを取り付けておく必要があります。

【分解整備の内容】
・フォーカスリングのヘリコイドに使用されていた古く汚れたグリスを除去し、ヘリコイドの溝の中までラップ研磨と呼ばれる方法で磨き上げ,溝の奥にたまった細かな汚れを取り除くとともに表面をより平滑にしました。その後,粘度が適した新しいグリスを隙間なく充填しました。この処理の結果、フォーカスリングを回転させた際に手ごたえのムラはなく、大変スムーズに回転するようになっています。また、ざらつきやトルクむらなどの違和感が指先に伝わることもありません。
・内部のレンズ面に付着していたチリなどを可能な限り除去し、きれいな状態にしました。ただし、前玉側の3枚のレンズは分解する際に欠けたり傷ついたりしやすい性質があるようですので触れないようにしました。しかし、清掃の必要がないほどきれいでした。商品写真中のレンズ背後からライトで照らした画像をご確認ください。
・水洗可能な部品は分解時に洗剤による洗浄を行い汚れや不要な古い油分を取り除きました。その後、ラップ研磨済みのヘリコイド鏡筒も含め、超音波洗浄機で処理しました。
・絞り羽根及び絞り羽根を収納する部分の部品はAベンジンで洗浄しました。また、絞り羽根を挟み込む部品表面に不要な黒色艶消し塗料が塗られていて、絞り羽根の動作を干渉していましたのでその塗料を除去しました。
・入手当初は引き抜き式のフードが自重で出たり引っ込んだりする状態でした。また、フード内面の艶消し黒色塗料がとれて、テカリが出ている状態でした。そこで、フードの内面に迷光防止用の植毛紙を隙間なく敷き詰めることでこれらの問題を同時に解決しました。なお、植毛紙は接着していないため取り除く必要がある場合は植毛紙の表面に粘着テープを貼り、引き上げるようにすると簡単に取り外すことができます。
 フード内壁の先端部には段差があり、植毛紙はその段差にピッタリと接し、押さえられているため、粘着テープ等を使用しない限り外れないようにな ってます。そのため、通常の抜き差しでずれてくることはないと思います。
 この植毛紙は天体望遠鏡の鏡筒内に貼る目的で入手していたもので、迷光防止の効果は当初に使用されていた艶消し黒色塗料と比較すると格段に高くなっています。その様子は以下のリンク先で確認できます。
フード内面の画像
・最近はフィルムカメラの需要が増えていることがニュースでも取り上げられていました。私の無限遠調整はすべてそのレンズを使用する前提で製造されたフィルムカメラに装着して正確に行っています。出品中のレンズはPENTAX SPボディに取り付けて距離環を無限遠側いっぱいに回した位置で星や月面にピッタリとピントが合うように調整しています。
・無限遠調整時の被写体は約200m先にある鉄塔を利用しました
※ミラーレス一眼にマウントアダプターを介して取り付けた場合は、そのマウントアダプターの設計や工作精度によって無限遠位置が異なります。多くの場合はオーバーインフになることを確認しています。これは、マウントアダプターを使用した際に確実に無限遠が出せるように余裕を持たせてた設計にしているためだと思います。オーバーインフ気味になるマウントアダプターに取り付けて無限遠を精密に調整してしまうと、その時使用したものでしか正確な無限遠が出ないだけでなく、多くの場合そのレンズを本来のフィルムカメラに取り付けた時には無限遠にピントが合わないことになります。
フィルムカメラ人気再び 使い切りカメラや21年ぶり新型カメラも 昭和の技術なぜデジタル世代が夢中に? | NHK | WEB特集 | おはよう日本

☆お願い☆
・オークションの終了後48時間以内に支払いを完了していただける方のみの入札をお願い致します。
・この期限が過ぎた場合は補欠落札者に連絡を取る,または,再出品のため「落札者都合にて削除」させていただきます。
・このレンズは,入手した時点で既に中古品でした。新品と同等の品質を希望される方にはご満足いただける状態とは言えません。また分解整備についても個人の趣味のレベルで行っているものでプロによるものではありません。入札される場合はそのことをご了承くださいますようお願い申し上げます。商品写真と実写例をじっくりご確認いただいた上で入札をご検討ください。

【送料】
・「ゆうパック」送料無料で発送します。

※まとめて取引について
・詳細は以下のヤフオクヘルプページでご確認ください。この条件を満たす場合はまとめて取引の対応が可能です。ヘルプにも記載されていますが,まとめて取引を行うためにはまとめたい商品をすべて落札後取引を開始する必要があります。
・まとめて取引は最大72時間以内の落札物に適用されますが,同一日以外のオークションでまとめて取引をご希望なさる場合は取引メッセージ欄からその旨をお伝えください。こちらからその可否についてご連絡をいたします。最初にご落札いただいた商品の取引開始前でもメッセージ欄から連絡を取り合うことは可能です。

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