本機は全部品を取り外し点検の上、劣化部品を交換し組み立て調整したSQ-38Ds真空管プリメインアンプです。
交換した主な部品は、出力管6RA8 1本、音量・音質用全VR、全入力ピン、全真空管ソケット、全電解コンデンサー、カップリング等の全オイルコンデンサー、抵抗値の変わった抵抗やDCバイアス・バランス用半固定抵抗、全配線・ラグ端子、3Pインレット・電源コード、ヒューズフォルダー、ACコンセント、DINコネクター、バナナプラグ対応スピーカー端子、電源整流ダイオード等です。
スイッチ類は分解洗浄、シャーシはさびとヤニ落としを行い、さび止めを行ったうえで組み立て、回路電圧・オシロによる波形等の確認、バイアス・バランスの調整を行い初期の状態に近づけました。
バイアス回路はLRchきめ細かく調整できるよう分離した回路と、フォノ用アース端子増設、ユーズドコンセントを3Pインレットに変えた他はオリジナルのままです。
出品前に各電圧やバイアス・バランスを確認して性能をチェックしました、プレートに331Vバイアスは-31~−32 VIP 25Aとし、最大出力はオシロで観測波形が歪む手前でLRch 12Wと出力管・出力トランスは十分に良い状態です。歪み率は1W出力で0.2%10W出力でも0.4%と真空管アンプとしては優秀です。10Wの出力は現代アンプと比べ小さいように感じますが、よほど能率の悪いスピーカーでなければ家庭で使うには出力不足は感じられません。周波数特性も20Hzから20KHzまでほぼフラットと初期の性能に近いと思います。それと、特にラックスの出力トランスは劣化(巻き線の高抵抗化)が心配されますDC抵抗ですが Lch P1B 186.1Ω、P2B 184.3Ω、Rch P1B 181.7Ω、P2B 187.8Ω、巻き線間・ケース間の絶縁等は∞と良好です。
全真空管は手持ちの真空管試験機で正常動作範囲内を確認、出力管6RA8gm850010500と良好です。
各入力、各切り替え、トーンコントロールの動作は問題ありません。手前味噌ではありますが、レコード再生は相性が良く聞かされます(MMカートリッジのみ)
ノイズやハム音はスピーカーに耳を近づけても聞こえません。AC入力ライン側の絶縁は対アース、500Vメガーで100MΩ以上と良好です。希少な出力管6RA8はゲッターも写真の様に有りまだ十分で使えるでしょう。外観です、ウッドケースは剥がれや欠け・割れ退色がありましたので補強・補充等を行いサンダーの上ニス塗りを行いましたが少しむらがあります。
以上現状動作品ではありますが製造より約半世紀を経過した年代物ですので何時如何なる不具合を発症するかは不明です、その事の御理解をお願い出来る方の御入札をお願いします。又到着時音が出ない、使えない機能等が有る以外はNC,NRでお願いします。また今後の故障修理・メンテナンスの対応はいたします。取説コピーや電圧等を記入した回路図を添付します。最近落札者様と連絡が取れない事象が発生いたしました。24時間以内に連絡をお願いいたします。私のほうはスムーズな発送を心掛けます。